Fotografiska museet, Little Solar System

Fotografiska museetのThe Autumn Salonより。

 

Amanda Vestbarg, Little Solar System (2016)

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天体写真に見えるんですが、被写体はすべて身の回りのもの。

ベッドサイドのランプ。水が沸騰する様子。トンネルから出た瞬間の空。

ディスクリプションには、

「身の回りのものが宇宙みたいに見えるのは、それが宇宙の一部だから。」

と書いてありました。

なんか納得できるような、できないような。

Instagramで#amandaslillasolsystemと入れると、いろいろ作品が出てきます。

そしてカメラはiPhone5sというのだから、また驚き。

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Lilla Solsystemetamandavestberg.wordpress.com

Fotografiska museet

ストックホルムに来ています。

この街の写真美術館があまりにも美しかった。

Fotografiska museet i Stockholm - Inte bara foto

ソーデルマルムエリアにあって、海が目の前です。

 

私が行った2016年10月末は

  • Anton Corbijn,  1-2-3-4
  • Sprit for Change
  • Helene Schmitz, Transitions
  • The Autumn Salon

と4つの展示がやっていました。

常時これくらいやってるっぽいので、

入館料は必要ですが価値があると思います。

 

あと、上の階にあるカフェが素晴らしい。

セルフサービスなのですが、

まったく安っぽくないシックで落ち着く作りです。

スモーブロー、スープランチ、スイーツ、コーヒー、アルコール類があります。

同じフロアにレストランもあって、きっと素敵なんだろうなっていう気配でした。

 

しかも、この美術館の何がすごいって、開館時間が長い!

日 - 水 9:00AM - 11:00PM

木 - 土 9:00AM - 1:00AM

すばらしい。

カフェには、DJブースかもあったから

夜来ると、きっと本当に最高だと思います。

 

今回見た展示の中でも印象に残ったのは、

The Autumn Salonっていう企画展。

この美術館が主催している、年一回のコンテストみたいなもので、スウェーデン人だけが応募できるのだそうです。

fotografiska.eu

テーマはなく募集するようですが、今年はなんとなく

「コントロールを手にいれる、もしくはコントロールを失うことに対する必要と不安を感じている世界」を反映している作品がノミネートされているそうです。

え?つまり??

私の訳が悪いのか、あんまり咀嚼できないのですが、

権力という意味での「Power」が、

すべての作品に通底するキーワードのようなものだそうです。

Pogoは最高。

ただただ私の好みです。

でも、本当にこのPogoというアーティストは最高。

 

Pogoは1988年生まれ(88世代!)のオーストラリア人(Wikipedia情報)で、

本名はNick Bertkeという男子のソロプロジェクトです。

過去の映画とかテレビから引っ張ってきた音や映像を再構成して楽曲を作っています。

 

2007年、Aliceで一躍有名人に。

www.youtube.com

同級生の私は、当時大学一回生。

私がサークルとバイトとかやっている間に、

Pogoは最高の作品を生み出していました。

 

で、この9月にリリースした、Trumpularが天才的。

www.youtube.com

制作意図は、“Trump is such a crazy fucker that I couldn’t resist mixing him up,”

musicfeeds.com.au

 

そしてPogoのインタビューを、発見。

www.youtube.com

なんだよ、Pogo。

思ってたより素朴でいい人そうじゃないか。

しかも、英語も聞き取りやすいし。

というわけで、Pogoは最高です。

Guerrilla Girls: Is it even worse in Europe? Vol. 2

2016年10月1日〜2017年3月5日にかけて行われている、

ゲリラ・ガールズの展覧会「Is it worse in Europe?」について書いています。

www.whitechapelgallery.org

この展覧会で展示される作品は、本企画のためのコミッションワークだそうで、

彼女たちは、ヨーロッパの383の美術館とクンストハレ(コレクションを持たない美術館)に

ダイバーシティに関するアンケートを送り、

その回答をもとに今回の展覧会を組み立てています。

タイトルは、Is it even worse in Europe?(ヨーロッパは、もっとダメなの?)

 

これには元ネタがあって、

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http://www.tate.org.uk/art/artworks/guerrilla-girls-its-even-worse-in-europe-p78801

「It's Even Worse in Europe.」というメッセージで、

アメリカよりもヨーロッパのほうが男女平等が遅れている、と告発しています。

で、これが制作されたのが1986年なのですが、

「で、30年経ったけど、どうなってんの?」と、改めて調査をする企画です。

 

彼女たちが美術館とクンストハレに送ったアンケートの質問項目は下記です。

 

  1. 所蔵品に占める女性アーティスト(作品ではない)の割合は何%ですか?
  2. 過去5年間で、何人の女性アーティストの個展を開催しましたか?
  3. 何人のアフリカ、アジア、南アジア、南アフリカ出身のアーティストの作品を所蔵・展示していますか?
  4. また過去5年間で、彼らの個展を何度開催しましたか?
  5. 何人のgender non-conforming(性別表現が社会のステレオタイプとは異なる人)のアーティストの作品を所蔵・展示していますか?
  6. また過去5年間で、彼らの個展を何度開催しましたか?
  7. 多くの美術館は、上記の統計をとったことがないかと思います。上記のような統計をとったのは初めてですか?
  8. 過去5年間で、もっとも観客動員数が多かった展覧会は何ですか?何人の人が来場しましたか?
  9. 知名度は低いけれど、あなたたちが特に価値を見出しているアーティスト、もっと評価されるべきだと思うアーティストはいますか?彼らの作品について、教えてください。
  10. 子供たちが来館したときに、どのようなお話をしますか?
  11. (美術館限定の質問)現代美術は、非常に高価です。あなたたちは昨年、100,000ユーロ以上の作品を何点購入しましたか?また、100,000ユーロ以下の作品は何点ですか?
  12. 作品を展示する際、アーティストに謝礼金を渡しますか?渡す場合、いくらですか?
  13. あなたたちの予算の何%が、あなたの国の政府、自治体から交付されていますか?また、プライベートコレクション、企業からの援助は何%ですか?
  14. アメリカの美術館における悪い慣行が、ヨーロッパでも行われていますか?
  15. あなたたちが今、直面しているもっとも大きな課題はなんですか?
  16. 今から100年後、あなたたちのもとを訪れる観客が、「わー、この美術館わかってるわ!」と言ってくれると思いますか?
  17. その他、ご意見があれば!

 

結果は次回に書きたいと思います。

Guerrilla Girls: Is it even worse in Europe? Vol. 1

ゲリラ・ガールズ(Guerrilla Girls)は、

1985年にニューヨークで活動を始めた

フェミニストのアクティビスト集団です。

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https://www.theguardian.com/artanddesign/2015/apr/29/the-guerrilla-girls-interview-art-world-sexism

 

美術の文脈でしか見たことないから、アーティストだと思うのですが、

美術界における男女不平等を「発見」と「共感」をいう形で、

ほんとに上手にウィットに富んだコピーライティングで伝えていて、

まじ、かっこいいなあと、いつも思っています。

 

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http://www.tate.org.uk/art/artworks/guerrilla-girls-do-women-have-to-be-naked-to-get-into-the-met-museum-p78793

これ、一番有名なやつですね。

「女は裸にならないと、メトロポリンタン美術館に入れないのか?」

メトロポリタン美術館の所蔵作品に占める女性作家の割合は、たった5%以下にもかかわらず、作品に描かれた85%の裸体は女性なのだそうです。

よく数えたな。

 

政治色の強い活動内容と、神出鬼没的に現れるそのスタイルから、

「ゲリラ」と名付けているようなのですが、

 でも、なぜゴリラの被り物をしているのか?

 

Guerrilla(ゲリラ)とGorilla(ゴリラ)

 

ローマ字読みだと、発音が変わるのですが、

英語を母国語とする人が読むと、

ほぼ完全に同じ、「ゴリラ」になるんですよね。

はは、かわいい。(しかも、発音の勉強になった!)

 

だから、ほんとは「ゴリラ・ガールズ」って訳したほうがいいと思うんだけど、

日本の文献はだいたい「ゲリラ・ガールズ」なので、

ここでもそう表記します。

 

あと、作家本人ではなく問題自体に注目がいくように、

(ほら、女は顔がキレイだと、そっちがみんな気になっちゃうから)

意図的にメンバーの顔や名前といった個性を消しています。

 

彼女たちは、自分たちの身元が特定されないように、

人前に出るときは必ず、毛むくじゃらのゴリラのマスクをつけており、

個々の名前も、過去の女性アーティストから借りて、

例えば「フリーダ・カーロ」「ケーテ・コルヴィッツ」と名乗っています。

 

そんなゲリラ・ガールズは、2016年現在も活動中。最高。

Whitechapel Galleryでの展覧会に行ってきました。

そこでの展示内容は、次回に続きます。

 

修士課程の「セオリーベース」って何?

イギリスの大学院の専攻を選ぶとき、

「セオリーベースって何?」って思う人は、

少なからずいると思います。

 

私は紛れもなくその中の一人で、

ま、なんか文献たくさん読むんでしょ、

とざっくり解釈してたのですが、

コースが始まって、ようやくその意味がわかりました。

 

セオリーと言うと、

なんだか相対性理論とか、バタフライ効果とか、

(私は)そういう実践的で具体的なものを思い浮かべるのですが、

そういう方法論や科学的法則だけではなく、

人文学系のアカデミックの世界では、哲学者が考えた理論や学説のことを指します。

(当たり前なのかな、これ…。でも、私は知らなかった!)

具体的には、ミシェル・フーコーの「ディスコース」やら

フェルディナン・ド・ソシュールの「シニフィアン」「シニフィエ」みたいな概念です。

 

こういうセオリーを使って個別具体的な事例を分析する、

というのが、この国のセオリーベースな人文学系の学問のやり方みたいです。

 

いやー、フーコーとか、ボードリヤールとか、メルロ・ポンティとか、

哲学科の人がやるやつだと思ってた。

それだけで研究対象になりうるというか、

道具みたいに「使う」もんだって知らなかった。

 

ただ、学問の仕方がちゃんと確立されている、という点では、

留学生にとっては、ありがたい。

とにかく、セオリーをアプライするんだろ!と。

日本みたいに明文化されてなかったら、やりづらいだろうなあと。

 

っていうか、日本で学士課程をやってたときも

(こちらでいうころのセオリーベースな)文学部だったのですが、

私が学部時代に卒論を書いたときは「セオリー(理論・学説)」よりも、

「先行研究」という言葉をよく聞いたし、使ってました。

先行研究を参考にしながら、事象を分析していく、という感じ。

結局やっていることは、大きくは変わらないのだけど、

「セオリー」と「先行研究」ってやっぱり受ける印象が全然ちがう。

「アプライ」と「参考」も全然ちがう。

 

脱線しましたが、

とにかくこのセオリーベースってやつが、

同じマーケティングをやるにも、

ビジネススクールとの大きな違いだと思います。

 

きっと、多くの人にとって、ベーシックすぎる知識だと思うのですが、

誤ったコース選択をしないためにも、

「セオリーベース」という言葉には気をつけたほうがよいです。本当に。

Bjork Digital やっぱり二次元のMVも、すき

Triumph of A Heart

www.youtube.com

猫の旦那に愛想をつかすんだけど、なんやかんやで楽しい話。

Directed by Spike Jonze

 

Who is it?

www.youtube.com

Alexander McQueenがデザインした鈴ドレス。

そりゃみんな、Bjorkとコラボレートしたいよね。

Directed by Dawn Shadforth

 

技術の可能性はもちろん、ってかやっぱBjork最高だな、ってなった展示でした。