Guerrilla Girls: Is it even worse in Europe? Vol. 2
2016年10月1日〜2017年3月5日にかけて行われている、
ゲリラ・ガールズの展覧会「Is it worse in Europe?」について書いています。
この展覧会で展示される作品は、本企画のためのコミッションワークだそうで、
彼女たちは、ヨーロッパの383の美術館とクンストハレ（コレクションを持たない美術館）に
ダイバーシティに関するアンケートを送り、
その回答をもとに今回の展覧会を組み立てています。
タイトルは、Is it even worse in Europe?（ヨーロッパは、もっとダメなの？）
これには元ネタがあって、
http://www.tate.org.uk/art/artworks/guerrilla-girls-its-even-worse-in-europe-p78801
「It's Even Worse in Europe.」というメッセージで、
アメリカよりもヨーロッパのほうが男女平等が遅れている、と告発しています。
で、これが制作されたのが1986年なのですが、
「で、30年経ったけど、どうなってんの？」と、改めて調査をする企画です。
彼女たちが美術館とクンストハレに送ったアンケートの質問項目は下記です。
- 所蔵品に占める女性アーティスト（作品ではない）の割合は何%ですか？
- 過去5年間で、何人の女性アーティストの個展を開催しましたか？
- 何人のアフリカ、アジア、南アジア、南アフリカ出身のアーティストの作品を所蔵・展示していますか？
- また過去5年間で、彼らの個展を何度開催しましたか？
- 何人のgender non-conforming（性別表現が社会のステレオタイプとは異なる人）のアーティストの作品を所蔵・展示していますか？
- また過去5年間で、彼らの個展を何度開催しましたか？
- 多くの美術館は、上記の統計をとったことがないかと思います。上記のような統計をとったのは初めてですか？
- 過去5年間で、もっとも観客動員数が多かった展覧会は何ですか？何人の人が来場しましたか？
- 知名度は低いけれど、あなたたちが特に価値を見出しているアーティスト、もっと評価されるべきだと思うアーティストはいますか？彼らの作品について、教えてください。
- 子供たちが来館したときに、どのようなお話をしますか？
- （美術館限定の質問）現代美術は、非常に高価です。あなたたちは昨年、100,000ユーロ以上の作品を何点購入しましたか？また、100,000ユーロ以下の作品は何点ですか？
- 作品を展示する際、アーティストに謝礼金を渡しますか？渡す場合、いくらですか？
- あなたたちの予算の何%が、あなたの国の政府、自治体から交付されていますか？また、プライベートコレクション、企業からの援助は何%ですか？
- アメリカの美術館における悪い慣行が、ヨーロッパでも行われていますか？
- あなたたちが今、直面しているもっとも大きな課題はなんですか？
- 今から100年後、あなたたちのもとを訪れる観客が、「わー、この美術館わかってるわ！」と言ってくれると思いますか？
- その他、ご意見があれば！
結果は次回に書きたいと思います。
