クロアチア旅行:ドゥブロヴニク(食べ物と景色以外の話)
たぶん美しい街並みと、美味しいシーフードに関しては
すでに情報がたくさんあると思うので、
ドゥブロヴニクのあまり語られない部分を。
Old Townの真ん中に、ひっそりある写真美術館。
恥ずかしいくらいスラブ民族の歴史に無知だったから、衝撃。
たった20年前のドゥブロヴニクの写真、え、燃えてる、ってゆうかめっちゃ戦争してる。
2003年まで存在した、スラブ民族の国・ユーゴスラビア。
クロアチアは1991年にユーゴスラビアから独立を宣言したものの、
それに反対するセルビアとのあいだで紛争が勃発。
1992年に独立宣言をしたボスニア・ヘルツェゴビナの紛争や、
続くコソボ紛争も絡まって、クロアチア紛争は1995年まで泥沼化します。
カフェで隣に座ってた現地の方によると、
ユーゴスラビアは非スラブの国にすっぽり囲まれた、
スラブの6つの国々が民族自決の波に乗ってできたそう。
チトーが強いリーダーシップで各州を束ねている間はよかったものの、
チトー亡き後、結束が緩まります。
さらに、ユーゴスラビアでは選挙は各州ごとに実施されていたが、
その際、政治家は各州の愛国心を煽るような活動を展開し、独立機運が上昇。
また1989年のベルリンの壁崩壊や、国内の宗教的対立もあいまって、
各州の独立運動が活発化したとのこと。
そして、先述のような紛争が勃発。
その方のお話で特に印象に残ったのは、凄惨な紛争の帰結。
多くの犠牲を払って、独立を掴み取ったのにも関わらず、
EUに加入すれば、結局またひとつの共同体になってしまうという事実です。
クロアチアは2013年に加盟しており、
少なくとも旧ユーゴスラビアのスロベニアとはまた同じ共同体の一員です。
同じ国になるのと、独立した国として同じEUの一員でいるのとは全く違うと思うけど、
なんとも皮肉な話だなあと思いました。